八角形の家

「八角形の家に住みたい」という施主様の要望に対し、担当以外の大工も設計段階から関心を持ち、知恵を出し合って設計施工の方向性を決めました。
何度も推敲を繰り返し、施主様の希望する八角形の家の設計図が完成しました。

木づかいの技が叶えた希望の形。
後ろ側には太平川が流れるロケーションのいい住宅地の一角に佇む。

放射状にのびる梁が様々な方向への視界の広がりを誘導。
自然と視線の合う身体の向きになるのも形状の利のひとつ。

 

大黒柱の面も八角形。
45度ずつに割り出された芯に梁が集まる様は圧巻。

2階のホールには大黒柱を囲むように居室のドアが並ぶ。

 

勾配と壁の角度を利用してベットとしても使えるロフトスペースを。

 

東西南北のみならず、東南、西南、北東、北西の各方向から光が入る八角形の家。
壁一面の面積が四角の家よりも狭く、風や音の影響を逃しやすい構造でもあります。
さらに円に限りなく近い八角形は動線にも優れ、家事の省力化を可能に。梁が放射状に伸びた1階フロアはリビングとキッチン、ユーティリティが八角形の大黒柱を中心に配され、暮らしやすさにも優れた形状であることがわかります。

家が四角の場合、水平に直交している角のゆがみを防ぐため補強材として斜めに架ける火打ちが八角形ではそのまま壁面となるため、耐震性の利や雪の重さや風害などに強い形状であることが専門家の実験でも証明されています。
稀な形状であることによる設計や施工の苦労の分、安全性や暮らしやすさで住むほどにその価値を実感できる有意義なものづくりとなりました。

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